文藝春秋 文化講演会3 人間賛歌
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文藝春秋の特集「心に灯がつく人生の話 今こそ聴くべき名講演」から始まった講演会CDシリーズ第三弾は「人間賛歌」がテーマ。
宮本輝さんの講演は、さまざまな障壁を乗り越えながらも作家の宿命に立ち向かう過程を、上品な関西訛りで聞かせ、真摯な作品群からは想像できない茶目っけに魅了されます。
浅田次郎さんの講演は、高度成長を支えたサラリーマン達に贈る人生訓。体に染みついた「労働の美徳」からいかにして解き放たれ幸福になるか、自身の体験談や明治の社会背景、中国古典の引用など交え、真面目に、明るく伝授してくれます。
村松友視さんは、人間の人間らし行動を集めたスナップショットのような講演。肩肘張って生きてきた人の心の凝りをほぐし、肩の力を抜くマッサージと言っても良いでしょう。聞き終われば固苦しい心など、どこへやら。
阿川弘之さんは、努力で身につけられないユーモアの「センス」についてレクチャーする講演。戦時の逸話、万葉集、吉田茂から井伏鱒二まで、豊富な引き出しの中からユーモアの源泉となる「アイロニーの何たるか」を取りだします。
永六輔さんは、郷土文化と長寿の関係を論じます。初めは襟を正していた観衆も、いつしか六輔話術にはまり、爆笑に次ぐ爆笑。腹を抱えて笑い、しかも「幸せに老いる方法」までわかる。
なかにし礼さんの講演は、満州引き揚げ体験や、作詞家人生、愛八と出会い小説を書き上げるまでの旅路をドラマチックに綴ります。「なぜ人には歌が必要なのか?」…歌論としても一級品です。
長部日出雄さんの講演は、自らの前半生を紹介しながら「自分とは何か」ということを実に温かい津軽弁で論じます。定年後の生き方に悩む人に贈る、最高の応援歌です。
こうして紹介した講演は、そのどれもが「幸せ」「自身」「笑い」の本質に、短い時間で迫ります。講演には、小説とはまったく違う作用があります。話し言葉は正確な情報を伝えるのに適していない代わりに、テーマについて端的に、直感的に伝えるのに最も適しています。つまり、作者の気持ちが手に取るように分かるのです。話し言葉には聴く人すべてに伝わる、立体的な感動があるのです。作家の言霊が心の垢をこそげ落とし、好奇心に灯をつけ、心に新風を吹き込むはずです。
- DISC.1 宮本輝 小説が生まれる時
紆余曲折、波乱万丈の時代を経て文筆を志すようになったある日、師との出会いによって宮本輝は小説家としての人生を輝かせてゆく。冗談とも本気ともつかないニュアンス豊かな関西弁が会場に爆笑の渦を巻き起こす。
1 仕事は仕事や(13:25)
2 どうやって書くんやろ(12:45)
3 雨が降ったら(11:52)
4 生と死以外ないな(8:15)
5 ぎょうさんの星(11:59)
6 心の中には(7:45)
(Total Time約66分) - DISC.2 浅田次郎 私的幸福論
様々な人生経験を持つ浅田次郎が「幸福とは何だろう」と考える。自身の幼少期や、明治日本の歴史的背景、中国古典などを引き合いに「労働は美徳である」という因習に異を唱え、幸福の実感について踏み込んでゆく。
1 笑ってはいけない(6:23)
2 嘘をついてはいけない(7:09)
3 苦労しなきゃならない(8:10)
4 遊ぶことは許されない(9:41)
5 ものは考えようで(16:06)
6 よく笑いよく遊ぶ(5:37)
(Total Time約53分) - DISC.3 村松友視(示見) 人間は最高の風景
「貧乏性」や「ヘンな習慣」「男の美学」など、人間のいかにもヒューマンな振る舞いを時に逆さメガネで、時に拡大レンズで軽快にスナップしてゆく。四方山話を並べて眺めると、自分の顔が見えてくる。
1 目薬の風景(9:08)
2 石鹸の風景(12:16)
3 玉子の風景(11:52)
4 近代の風景(8:36)
5 現代の風景(8:53)
6 老人の風景(6:50)
(Total Time約57分) - DISC.4 阿川弘之 日本人のユーモア
醒めた目で世界を眺め、世間に流されない度胸を持つには「笑える精神」が大切。ユーモアのセンスについて、戦時の逸話から万葉集、吉田茂、夏目漱石、井伏鱒二まで様々なエピソードを引き合いに説く。
1 ヨシ二本ダメ三本(8:05)
2 まだ爽やかになりたいですか(14:56)
3 イングランドの馬が優秀(6:02)
4 みんながお辞儀するんだよ(5:35)
5 金と女は敵なり(10:25)
6 四百年どっしゃろなぁ(11:22)
(Total Time約56分) - DISC.5 永六輔 富山から日本を見ると
郷土の魅力と長寿の秘訣について永六輔が全国を旅した経験から語る。「長寿県の共通項」「未亡人になるための7つの方法」「長生きできる長寿会」など、見事な話術に抱腹絶倒間違いなし。
1 わしもいらん(11:02)
2 蒲鉾があります(8:09)
3 未亡人になる方法(11:52)
4 老人ががんばってる(15:14)
5 なんにもしない長寿会(10:44)
(Total Time約57分) - DISC.6 なかにし礼 長崎ぶらぶら節に出会う
人はなぜ詩を書くか?満州における極限体験、作詞家として掴んだ頂点、運命的なレコードとの出会い。見えない糸に導かれるようにして書いた『長崎ぶらぶら節』。氏の澄んだ感性が、鋭く鮮やかに胸をえぐる。
1 私ゃ涙に暮れみなと(5:59)
2 満州の夕陽と蒙古風(8:36)
3 大陸に残してきた魂(7:35)
4 すべて消え果てて(8:42)
5 不思議なレコード(8:15)
6 やまたのおろち(9:22)
7 二つの魂、二人の詩人(7:20)
(Total Time約55分) - DISC.7 長部日出雄 人生の転機
会社員を辞して体験した危機―「宙ぶらりんの自分はいったい何者であるか」全てを捨てて戻った津軽で、いかにして泥沼から抜け出したか。長部の腹の底から捻り出すような津軽弁には人を勇気づける力がある。
1 名刺の裏っかわ(8:59)
2 あいでんてぃてぃ(7:25)
3 もうひとつの外国語(8:30)
4 一生にいっぺん(7:38)
5 自分だけの看板(11:12)
6 植物みたいなとこ(11:43)
(Total Time約55分)
商品詳細
CD7枚組 特製収納ケース入り 収録時間::各巻約53?66分 発行:文藝春秋、企画制作エニー |
単位:cm|商品ガイド